NISAは子どもにも拡大?実現する?子育て世代が知っておきたいポイント

2025年8月26日、金融庁が「NISAを子どもにも拡大する」方針を税制改正要望に盛り込みました。
これが実現すると、これまで18歳以上しか使えなかったNISAが、未成年でも利用できるようになる可能性があります。
「教育資金をどうしよう…」と悩む子育て世代にとっては、銀行預金や学資保険に代わる新しい選択肢になるかもしれません。
- NISAが子どもにも拡大で何が変わるのか?
- 子育て世代にどんなメリットがあるのか?
- あわせて検討されている「スイッチング制度」って何?
NISAとは?(基礎解説)

投資の利益が非課税になる制度
NISA(ニーサ)は「少額投資非課税制度」といって、投資で得た利益にかかる約20%の税金がゼロになる仕組みです。
たとえば株や投資信託で10万円の利益が出た場合、通常なら約2万円が税金として引かれてしまいます。
でもNISA口座を使えば、その税金がかからず、10万円をそのまま受け取れるんです。

新NISAの2つの枠
2024年から始まった「新NISA」では、利用できる投資枠が拡大しました。
- つみたて投資枠:年間120万円まで
- 成長投資枠:年間240万円まで
この2つを合わせて、年間360万円まで非課税で投資できるようになっています。
非課税期間は「無期限」に
旧NISAでは「非課税で持てるのは5年 or 20年」と期間制限がありました。
しかし新NISAでは、一度購入したら非課税で無期限に保有できるようになっています。
長期でコツコツ資産を育てたい人にとって、大きなメリットになりました。
今回のニュースで何が変わる?

NISAが子どもにも拡大する可能性
今回の金融庁の税制改正要望で大きなポイントは、これまで18歳以上に限定されていたNISAを、子ども(未成年)にも拡大しようとしていることです。
もし実現すれば、親が子ども名義の口座でNISAを活用して、教育資金を効率的に準備できるようになります。
こちらの記事でも報じられています。
👉 NISAの対象を18歳未満にも拡大へ 金融庁が税制改正要望で(TBS NEWS DIG)
毎月分配型投資信託の追加も検討
「毎月分配型投資信託」をNISA対象に加える案も同時に要望されています。
ただし毎月分配型は「複利が効きにくい」「元本を取り崩している場合もある」などの注意点があるので、長期で資産を増やしたい子育て世代にはあまり向かないケースもあります。
こちらの記事でも報じられています。
👉 NISA、全世代に対象拡大へ 金融庁、税制改正要望概要が判明(沖縄タイムス+プラス)
スイッチング制度の導入
さらに、NISA口座で投資した商品を売却しても、その年の非課税枠が復活する「スイッチング制度」も要望に盛り込まれています。
これが実現すれば、個別株投資をしている人は「非課税のまま回転売買」ができるようになり、投資判断の柔軟性が大きく広がる可能性があります。
こちらの記事でも報じられています。
👉 NISAに「スイッチング機能」追加へ――資産入れ替えがより柔軟に(日本経済新聞)
子育て世代にとってのメリット

教育資金を効率的に準備できる
NISAが子どもにも拡大したら、子ども名義のNISA口座で積立投資ができるようになります。
私自身も子どもの教育資金として、まとまったお金を銀行口座に置いたままにしています。
「いつかジュニアNISAが再開されたら入れよう」と思っていた資金ですが、もし今回の制度改正が実現すれば、その資金をもっと効率的に運用できる可能性が広がると感じています。
若い世代は「複利の力」を最大化できる
投資は始めるのが早ければ早いほど、複利の効果が大きく働きます。
もし高校生や大学生のうちからNISAで投資を始められたら、長い時間を味方につけて資産形成できるのは大きなメリットです。
親子で資産形成を考えるきっかけに
「子どもにもNISAが使える」となれば、親世代にとっても家族で資産形成を考えるきっかけにもなります。
子どもの教育資金だけでなく、自分たちの老後資金や将来のライフプランを見直すタイミングにもなるでしょう。
投資のスイッチング制度とは?

スイッチングの仕組み
スイッチングとは、NISA口座で買った商品を売却しても、その年の非課税枠が復活する制度のことです。
これまでのNISAでは、一度非課税枠を使って投資すると、売却してもその分の枠は戻ってきませんでした。
具体例でイメージ
たとえば、ある年に非課税枠が100万円分余っていたので、NISAで「株A」を100万円分購入したとします。
数か月後に「株Bの方が良さそうだ」と思って売却した場合↓↓
- 今までは → 売ったら枠が消えて、株Bには非課税枠は使えません。
- スイッチング導入後は → 売った100万円分の枠がその年の中で復活し、非課税のまま株Bを購入できるようになります。
投資家にとってのメリット
特に個別株を取引する人にとっては、非課税で“回転売買”できる可能性が広がります。
「一度買ったら枠が消えるから慎重に…」というプレッシャーが減り、投資判断を柔軟にできるようになるでしょう。
注意点・まだ要望段階

まだ確定していない制度
今回紹介した「子どもNISAの拡大」や「スイッチング制度」は、まだ金融庁が要望を出している段階です。
最終的に制度がどうなるかは、年末の与党税制改正大綱や国会審議を経て決まります。
つまり、ニュースとして注目すべき内容ですが、現時点ではまだ“可能性”の段階であることを覚えておきましょう。
毎月分配型投信には注意
同時に検討されている「毎月分配型投資信託」についても触れておきます。
この仕組みはもともと、高齢者が生活資金を取り崩しながら運用したいニーズに応えるために要望されているものです。
ただし制度が改正されれば、NISAは全世代が対象になる方向なので、毎月分配型商品も「子ども世代を含めた誰でも利用できる可能性」が出てきます。
とはいえ毎月分配型には、
- 複利効果が働きにくい
- 元本を取り崩して分配している場合がある
といったリスクがあります。
教育資金や長期の資産形成を目的にする子育て世代には、オススメしません。
まとめ・行動導線
- 金融庁が「NISAを子どもにも拡大する」方針を要望している
- 制度が改正されれば、教育資金づくりに新しい選択肢が生まれる
- スイッチング制度の導入で、個別株投資家は非課税で柔軟に投資判断できる可能性がある
- 毎月分配型投信も全世代で利用できる可能性はあるが、長期投資には注意が必要
今回の改正はまだ要望段階なので、正式に決まるのはこれからです。
ただし、「もし制度が変わったらすぐに使えるように」今から準備しておくのが大切です。
今のうちに証券口座を準備して、チャンスを逃さないようにしましょう。

すでにNISAを利用している人は、教育資金や将来の運用プランを見直す良いタイミングになります。
「子どももNISAを使えるようになるかも」というニュースは、教育資金や将来のお金を考えるきっかけになります。
これからの教育費確保は、学資保険や預金だけでなく「投資による資産形成」がメインになっていくかもしれませんね。